2014-11-16

建築側から見た開発許可のはなし2 -区画形質の変更

前回より
具体的に開発許可のナカミに入る前に、もう一つ。

そもそも開発行為とは…
(定義)
第四条
12  この法律において「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。

前回さらっと流しましたが。
意外と知らない「区画形質の変更」。

区画形質の変更てナニ?
ですが。
実務で関わらない方は、ふぅ~ん、そんなものか~程度でスルー可です。笑

実は、開発行為の許可が要る・要らないの判断基準となる「区画形質の変更」ですが、都市計画法と施行令、規則の条文中には定義がありません


えー!
ナニソレ!?
じゃ、どうやって区画形質の変更、に該当するしないを判断すればよいの???


ですよね。
はい。

実務的な話になりますが。
改めて、まじめにグーグルセンセーに聞いたことがあります。ははは笑
ちゃんと仕事できてんのか、私。


ということで、
区画形質の変更とは、「具体的には、各自治体が独自の定義をしています」が正解です。

もちろん、お暇であればグーグルセンセーに聞いて頂いてよいのですが。
開発許可にまつわることは、開発指導要綱開発の手引きなどと呼ばれる文章?というか冊子にまとめられていて、それぞれの地域の事情に合わせて区画形質の変更、が載ってます。

今は大抵はネットのPDFで見られますが、ネットが普及する前は自治体の窓口で冊子を買った?記憶です。
都市計画図とセットで仕事上必須だったんで会社の経費で買ってもらっていましたが、無料じゃなかったような気がする・・・


そうなんです。
まずは、建物を建築、特定工作物を建設する際、開発行為になるかどうかの判断なんですが…
実は、許可を出す人の許可基準なり指針に従うと。
開発許可の要・不要がビミョーな場合は、実は窓口相談した方がハナシが早い、なんです。笑


横浜市の解説がわかりやすかったので、引用します。 
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenchiku/shidou/jouhou/kenki/seminar/siryou/2-1.pdf
 『土地の区画形質の変更』の定義については、法で定められたものがないため、各行政庁の法解釈によって異なる。
⇒ 建築確認を行う際には、各行政庁の法解釈に従って、開発許可の要否について判断する必要がある。
下記引用はあくまで横浜市の場合、ですので、他の土地では「具体的には~」以降が微妙に違います。
◆「区画」の変更
公共施設(道路や水路等)の新設又は改廃を伴う土地の分割又は統合のことで、具体的には道路や水路等の新設、つけ替え、廃止等を行うこと。

◆「形」の変更
土地の形態を変更する造成を行うことで、造成の範囲については宅地造成等規制法の対象範囲の数値を準用します。(算定方法については、宅地造成等規制法と相違する点があり。)
具体的には、
・ 2mを超える切土
・ 1mを超える盛土
・ 連続して2mを超える切盛土
・ 切土又は盛土する面積が高さに関係 なく500㎡を超える造成のうち、いずれかに該当する行為が対象。(既に行われたものを含む。)

◆「質」の変更
 「宅地」以外の土地を変更することです。畑や山林、雑種地等を宅地として利用すること。


どうでしょうか。
建築基準法では全く聞き慣れないことばかりかと思いますが・・・


ここでワンポイントは、建築基準法の工作物としての擁壁

ざっくりと言うと。
擁壁の設置が必要な場合、開発許可、宅地造成等規制法の許可、確認申請、津波防災地域づくりに関する法律の許可で、それぞれ内容がオーバーラップしているので、他の事情と照らし合わせてどれか一つ許可なり確認を受ければ、他は受けなくてよいことになっています。
建築基準法第88条
(工作物への準用)
1~3項 略
4  第一項中第六条から第七条の五まで、第十八条(第一項及び第二十三項を除く。)及び次条に係る部分は、宅地造成等規制法 第八条第一項 本文若しくは第十二条第一項 、都市計画法 第二十九条第一項 若しくは第二項 若しくは第三十五条の二第一項 本文又は津波防災地域づくりに関する法律 第七十三条第一項 若しくは第七十八条第一項 の規定による許可を受けなければならない場合の擁壁については、適用しない。(カッコ内略)
平成11年とかってかなり昔な出題=キホン中のキホン問題ですが、合格物語から引用するとこんな感じです。
11035
宅地造成等規制法第8条第1項の規定による許可が必要である高さ3mの擁壁を築造する場合、確認済証の交付を受ける必要はない。

ちなみに、津波防災地域づくりに関する法律、って平成23年3月の東日本大震災を受けて平成23年12月に成立した法律ですね・・・
この辺りは、なんとなく覚えている程度で、益々スルー可。


また、近年、台風による土砂崩れ→死傷者が出ることが頻発しています。

平らな土地が少ない日本。
切り土、盛り土、崖地、急傾斜、擁壁などの用語が飛び交う土地周辺は、特に人命に関わることが多いので、古くから人が住んでいなかったところを新しく開発する際は細心の注意を払いたいところです。


次回、いよいよ開発許可の流れ、いきたいと思います。

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