2010-04-24

消防法改正-(6)項ロ周辺のまとめ

というわけで。

先日の法規講習会でも駆け足で説明がありましたが、以下、わかる範囲でまとめてみました(手かけすぎだが、気分転換込み)。


そもそも、ナニが起きたんでしょ?調べましたよ、総務省消防庁。最近、よくお世話になっています。笑


総務省消防庁サイトの火災概要から、一部引用致します。

まず、こちらが、今回の消防法改正の発端となった火災。この建物の延床面積が279㎡だったことから、スプリンクラーの設置規準で(6)項ロの数値が275㎡以上という、ある意味とっても中途半端な数字になったんですね。なるほどです。

ちなみに、防火対象物の分類は改正前の(6)項ロなので、今年の改正とは規準が違います。お間違えのないように。
出火時刻:平成 18 年(2006)1 月8 日02 時19 分頃(推定)

建物名称:グループホーム「やすらぎの里」(消防法施行令別表第一(6)項ロ)
敷地面積2798.8㎡、建築面積304.2㎡、延べ面積279.1㎡
住 所:長崎県大村市陰平町2245-1番地
建物構造:RC造一部木造平屋建て
消防用設備等:消火器、誘導灯
消防同意:平成15年4月7日
着 工:平成15年5月1日
最終査察:平成15年8月8日(使用開始検査であり、指摘事項なし)

焼損面積:279.1㎡(建物1棟全焼)


お次は、責任者が管理責任を問われて、有罪確定したんでしたか。私が記憶していたのは、この火災。増築、増築を繰り返し、最悪の状態が重なって火災となったわけで・・・1棟1棟を別の防火対象物としたら、全棟が275㎡以下ですね。
発生時刻:平成21年(2009年)3月19日22時45分ごろ
住 所:群馬県渋川市北橘町八崎2335-9
建物名称:静養ホーム たまゆら
用 途:令別表第一(6)項ロ
建物概要
構 造:木造(本館、別館1、別館2)
階 数:平家建て(本館、別館1、別館2)
延べ面積:本 館:118.41㎡
別館1:188.81㎡
別館2: 80.68㎡

消防用設備等:消火器

防火管理者:選任済み(平成19年4月12日届出)
消防計画 :作成済み(平成19年4月12日届出)


そして、こちらはイチバン最近起きてしまった火災。記事にもしました。275㎡を下回る床面積での火災。本当に痛ましいです。
火災発生時刻:平成22年3月13日

住 所:札幌市北区屯田4条2丁目6番4号
建物名称:グループホームみらいとんでん
用 途:令別表第一(6)項ロ(認知症高齢者グループホーム)

建物概要
構 造:木造
階 数:2階建て
延べ面積:248.43㎡

出火建物:全焼、焼損床面積約227㎡
延焼建物:部分焼1棟(西隣一般住宅)、焼損表面積約24㎡(外壁)

設置されていた消防用設備等:消火器具、誘導灯
防火管理者:選任済み、消防計画:未届け

以上と法改正の経緯は、NHKの解説委員室ブログ:時論公論 「グループホーム火災 惨事を防ぐには」にまとめられています。


とても身近なので、いろいろ感情が動いてしまいますが、建築的な視点、ひいては試験問題作成者的な視点を忘れないようにしましょう。


先日の法規講習会でも、消防法の改正の説明の際、別表1(6)項ロについて駆け足で説明がありましたね!急いでチェックした形跡が、法令集に残されています。笑



(6)項ロに関して、簡単に整理したいところですが量が多いので、Googleセンセー。以前も引用した、ホーチキのサイトを再度引用しておきます。

1自動火災報知設備の設置基準:面積・建築構造に関係なく全てに必要

2消防機関に通報する火災報知設備(火災通報装置):面積・建築構造に関係なく全てに必要

3消火器の設置基準:面積・建築構造に関係なく全てに必要

4スプリンクラー設備の設置基準:延べ面積275m2以上(特例基準あり)

5消防検査を受けるもの:面積・建築構造に関係なく全てに必要

6消防計画の作成、防火教育・訓練等を行う防火管理者の選任基準:収容人員10人以上


今日はここまでにしておきます。あくまで、問題作成者の視点を・・・笑

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